RAILS WORLD 2026 · KEYNOTE

DHHキーノート
日本語要約

コードを手で書く仕事から、
エージェントと望むものを作る仕事へ。

非公式の要約

元の配信動画は現在非公開です(2026年9月24日確認)。

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講演の中心にあったこと

DHHは、AIエージェントによって開発者の仕事が「何を作るかを決め、知能に任せ、成果を評価すること」へ移ると語りました。37signalsの開発方針、HEYの刷新、Omarchyの開発を、その実例として紹介しています。

写真と開発の大衆化

元の配信の時刻:34:11

高価で時間のかかる肖像画から、大衆向けカメラ、さらに手間も費用もほとんど意識せず撮れるスマートフォンの写真へ。制作の費用が下がると、作る人と作られるものの数が大きく増え、専門家の役割も変わる、というたとえです。

DHH自身はOpus 4.5を転換点と捉え、その後のモデルによって、細かい実装手順を指示する段階から、問題や望む成果を渡す段階へ進んだと語ります。

37signalsの開発方針

元の配信の時刻:50:00

37signalsは、通常の開発でコードを手書きするのをやめる方針を決めたと説明します。手書きが必要になったら「なぜエージェントで実現できなかったのか」を考え、開発の仕組みを直す、という姿勢です。

ただし、以前から常にうまくいったわけではありません。Basecamp 5の開発時には、デザイナーが個別に作ったPRをまとめると、アーキテクチャに問題が生じた経験も紹介します。それでも、最優先の問いは「この知能からどう最大限の成果を得るか」だとしています。

Railsの初期デモで語った「自分がやらずに済んでいることを見てほしい」という価値観を、AIによる開発にも重ねています。

HEYの刷新

元の配信の時刻:58:00

次のHEYでは、フロントエンドを6つのネイティブアプリとして開発していると紹介します。小さなチームでは維持が難しかった複数環境のネイティブ実装が、エージェントによって現実的になった、という説明です。

バックエンドはRustでメールサーバーとして作り直す構想・取り組みを示し、CPU使用量99%削減、メモリ使用量95%削減という数値を挙げています。Raspberry Pi 1台でピーク負荷を扱えるかもしれない、という話は、本人も概算として述べています。

DHHはRustを人間が読む・書く言語としては嫌いだが、エージェントに書かせて成果を使うなら、その効率を歓迎すると話します。ここに「人間が書きやすい言語」と「得たい成果に向く実装」の選び方の変化があります。

エージェントとの非同期の仕事

元の配信の時刻:1:05:00

チャット画面で出力を待ち続けるより、同僚のように仕事を渡し、成果ができてからレビューする働き方を勧めています。

実装方法を細かく指定しすぎず、高い視点で問題や目的を渡すことも重視します。自分がRustを知らないことは、実装に口を出しすぎず、外から動作や成果を評価できる利点でもある、と説明します。

WebとRailsの役割

元の配信の時刻:1:07:00

インストールせずに使えるWebの価値は大きく、一時的な利用者や外部の協力者を招くBasecampのようなサービスには、Webが適していると述べています。どこをネイティブにし、どこをWebに残すかの境界は、これから見つけていくものです。

Railsの「設定より規約」はトークン効率に、一人で開発を進められる設計はエージェントを使う個人の生産性につながると評価します。Rails Foundationのエージェント評価も、モデルの能力向上に合わせて難しくしていると紹介します。

ものを作るプロへの転換

元の配信の時刻:1:12:00

DHHは「Rubyより好きなプログラミング言語は英語」と表現し、自分は手でコードを書く職業プログラマーから引退した、と宣言します。

手書きのプログラミングを楽しんだ過去は、後悔せず喜びとして受け止める。そのうえで、知能を使って望むものを作る新しい仕事へ進もう、という呼びかけです。

設計や開発方法の前提も変わると考えています。重複したコードの修正や同期の費用が下がり、多数のエージェントが並行して変更するなら、抽象化の利点とボトルネックを評価し直す必要がある。開発サイクルや役割分担も含め、まだ完成した方法論はないとしています。

アプリをつなぐCLI

元の配信の時刻:1:19:00

具体的な提案は、「アプリにCLIを用意してほしい」 です。

アプリごとに専用チャットボットを置くより、利用者自身のエージェントが複数のサービスをまたいで操作できることを望んでいます。「自分の執事を連れてこさせてほしい」という表現です。

HEYでは、相手も会社名も年も思い出せない古いメールを、スニーカーとポッドキャストという曖昧な手がかりからエージェントが見つけた体験を紹介します。キーワードだけでなく、概念を伝えて探せることに価値を感じています。

Omarchyと自作アプリ

元の配信の時刻:1:22:00

「不満を直せる」範囲がアプリからコンピュータ全体に広がった例として、Omarchyを紹介します。インストール時間の短縮について、35秒という実例と、実験環境で9秒という数値を挙げています。

ほかにも、Omarchyのテーマに合う電卓、執筆アプリ、動画トリミング用のOmacut、MarkdownベースのプレゼンソフトHypeを紹介します。電卓は、デザイン画像を渡して7分後には動くものができた、と語ります。

これまで人件費に見合わなかった小さな改善やサイズ・速度の最適化にも、エージェントで取り組めるようになった、という点が主題です。

未来への楽観

元の配信の時刻:1:29:00

雇用や社会がどう変わるかは、専門家にも正確には予測できない、と強調します。セキュリティなど対処すべき問題には、利用できる知能を使って具体的な防御策を作ろう、と呼びかけます。

最後は、AIがものづくりの参加者を増やすことを「コンピュータの宗教改革」になぞらえます。競争を恐れるより、自分の経験を生かし、不確実さを抱えたまま楽観して未来へ進もう、という結びです。

この要約について

この講演は、新しい開発方法についてのDHH自身の経験と、強い楽観に基づく将来像です。「生産性100〜1,000倍」「年末にはほぼ全領域で手書きが経済的に成り立たなくなる」などは、講演者の主張・予測として読む必要があります。

特にHEYは、進行中の刷新の説明です。紹介されたすべての変更が、すでに本番環境へ移行済みだと、この音声だけから確認することはできません。